こんにちは!
前回はフォーレさんの生涯についてお話しましたが、今回は彼の曲風と性格についてお話します。
フォーレさんの曲風
①異名同音で曲が進む
その為暗譜は絶望を感じるほどの難易度。
前回の記事でも説明していますが、異名同音とは音名は異なるけど実際聴こえてくる音は同じ音のこと(例:ド#とレ♭)です。
この異名同音を使うことで、なかなか実体が掴めないような、ふわっとした響きを作り出しています。
この高度で緻密な和声がとても美しいのですが…。
異名同音+複雑な響きの和音で楽譜は臨時記号でいっぱいです。
演奏者からするととにかく譜読み、暗譜に時間かかる作曲家だなと思います。
最初は「なにこれ…?(若干引き気味)」と困惑するのですが、指が慣れてきて音を聴く余裕がでてくると
「なにこれ…?(喜)すごいキレイ!!」
とハマっていくのが不思議です。
②優しさが目立つ淡い色合いがすてき!
ロマン派から印象派への橋渡し的ポジションのような音楽
なんとなくパステルカラーやグレースケールのようなイメージです。
フォーレさんは後期ロマン派の作曲家なので、ロマン派ともとれるような、印象派ともとれるような絶妙な音楽がとてもよいです!
また、後期ロマン派と言いましたが、どこかのカテゴリーに分けるというよりは、
フォーレさんはフォーレさんの音楽、というように感じます。
(私の個人的な印象ですが…)
彼は宗教音楽からリストさんにワーグナーさんまで、色々な音楽を学んでいます。
ただ、誰かからの影響を受けたような曲風には感じません。
控え目で清楚で優しくて…でも時折感じる妖艶さや悲しさもまた美しくて、いつまでも聴いていられます。
フォーレさんの性格
①音楽家の中では珍しく(?)いい人
クセが強い音楽家って多いですよね…。
全員が全員とは言いませんが、音楽家ってなかなかすごいエピソードが出てきたりするものです…笑。
そんな中、フォーレさんは温厚で理性的。
学校では教師からも仲間からも愛されて、あの気難しそうなサン=サーンスさん※とも生涯の友人だったそうですからコミュニケーション能力が高かったのでしょうか。
※サン=サーンスさん
フォーレさんの先生で10歳年上。辛辣な物言いをし有名なピアニストを煽り倒したり評論家への皮肉が含まれた曲を作っていたりする。
(ツイステにいそうだな笑)
曲は素晴らしいです。
そんなフォーレさんにも、パリ音楽院の院長になった時は自分に批判的だった教授陣たちを次々と辞めさせて恐怖政治ともとられるような改革を行ったというようなエピソードがあります。
でも、当時のパリ音楽院では才能のある生徒さんが無視されていたので(ラヴェルさんとか)フォーレさんからしてみれば必要な改革だったのかもしれません。
②意外と女性関係は奔放
勤勉で真面目…だけど女性の名前出てきすぎ問題
フォーレさんにはマリー・ガブリエルさんという奥様がいらっしゃいましたが、エンマ・バルダックさん(後のドビュッシーの奥様)や楽譜出版社の夫人と関係を持っていたそうです。
ピアノ曲も「みんな女の人に献呈されてない…?」と思うくらい、楽譜には女性の名前が書かれています。
ひたすら清楚で美しい曲風の中にたまに感じるセクシーさはここからきているのでしょうか…。
今回はフォーレさんの曲風と性格についてお話しました。
作曲家の人となりや抱えていた背景が分かると、その人の曲がよりいっそう楽しめると思います。
練習する時間と、さらに作曲家について勉強する時間をとることはなかなか難しいかもしれませんが、調べてみると面白い発見があるかもしれませんね(*^^*)