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譜読み、美しい音を作る前の下準備

こんにちは。

今回は↓こちらの動画の内容を短くまとめてご紹介します!

 

譜読み、美しい音を作る前の下準備

「動画を見た後にちょっと復習したい」

「ポイントだけ知りたい」

 

そんな時に読んでもらえたら嬉しいです。

 

私が新しい曲に向き合う時は、いきなり鍵盤に触るのではなくて、

 

① 楽譜の情報を整理する

② 作曲家ならどんなイメージを大切にするか考える

③ その曲に合う音色を思い描く

 

この3つの“下準備”から始めています。

 

こうして土台を整えておくと、音の出し方だけでなく、音楽全体の方向が自然と見えてくるんです。

 

詳しくは、動画でゆっくりお話ししています。

 

よかったらそちらも覗いてみてくださいね。

♪楽譜から、曲のヒントを拾い集める

(強弱・表情・テンポなどの“最初のヒント”をさらっと見る)

まずは、楽譜に書かれている情報をざっと見ていきます。

 

強弱・速度・表現の指示、拍子や調号など……

 

最初にこれらを確認しておくと、曲の雰囲気が自然とつかみやすくなります。

 

もし知らない単語があれば、軽く調べておくのもおすすめです。

 

それだけで、練習に入ったときに「この曲はどんな世界を描きたいのか」が見えやすくなります。

 

次に、実際のピアニストの演奏を聴きながら、

 

長調っぽい?短調っぽい?それとも、そのどちらでもない響き?

 

という“色”を感じてみてください。

 

この段階で細かな分析までしなくても大丈夫です!

 

雰囲気の変化だけ意識しておくだけで、あとから譜読みがぐっと楽になります。

♪作曲家の「好きな世界」をのぞいてみる

(作曲家の背景や作品から、世界観をふわっとつかむ)

次は、作曲家の世界に少しだけ近づいてみる時間です。

 (※動画内ではドビュッシーの”夢”という曲で譜読みの下準備をしています)

もしドビュッシー本人に「この曲、どんな景色を描きたかったんですか?」って聞けたら一番ですが……さすがに難しいので、まずは

 

どんな性格で、どんな光や空気を好んだ人なのか

 

を軽く調べてみましょう。

 

とはいえ、伝記を読み込む必要はありません。

 

ネットで簡単に調べたり、他の代表作を少し聴いてみるだけでも、作曲家が大切にしている“色”や“気配”が見えてきます。

 

私はいつも、分かったことを付箋にメモして楽譜に貼っておきます。

(すぐ忘れちゃうので……)

 

 

こんな感じ

この段階では、

 

「もし私がドビュッシーだったら、どんな音を出したいかな?」

 

くらいの気持ちで十分です。

正解を探すより、作曲家の世界にそっと足を踏み入れる準備として楽しんでもらえたら嬉しいです。

♪曲のための“音の色”をイメージする

(淡い光・浮遊感・芯のある音など、音色の方向づけ)

ここまでで、楽譜と作曲家の下準備ができました。

 

次は、"曲そのものの“音のイメージ”を考えていきます。

 

ドビュッシーのほかの作品を少し聴いてみると、淡い光がにじむような、色彩豊かな世界が広がっています。

(まるで印象派の絵画みたいですよね。)

 

ただ、ご本人は自分の音楽を“印象派”とは呼んでいなかったと言われています。

 

柔らかさの奥に、

 

「自分の音はこうありたい」

 

という強い意志があるからかもしれません。

 

《夢》というタイトルや、楽譜にある表情の指示からは、

 

“ふわっとした浮遊感”と“どこかつかみどころのない気配”

 

も感じられます。

 

つまりこの曲は、

 

淡い響きの中に、静かな芯がある音 が似合うと感じています。

 

私は

「色彩豊かで柔らかく、でも芯がそっと通っている音」

そんなイメージで弾くと、《夢》の魅力がもっと伝わるように思います。

🐇私が下準備をする理由

「色彩豊かで淡く、でも芯のある音を出したい」

 

そんな言葉は、演奏を聴けばなんとなく分かる気がしますよね。

 

でも、“なんとなく”のまま弾き始めてしまうと、音の方向がぼやけてしまうことがあります。

 

そこで役に立つのが、この下準備です。

 

楽譜をゆっくり眺めて、作曲家の背景や世界観を少し調べてみるだけで、ぼんやりしていたイメージが はっきりとした形 に変わっていきます。

 

イメージが明確になると、

 

「どう弾きたいか」

 

「どんな音を出したいか」

 

という演奏のゴールが自然と見えるようになります。

 

そうすると、そこへ向かうための練習の方向も迷わなくなります。

 

そしてもうひとつ、

 

同じ楽譜を見ても、心が動くポイントや浮かぶ景色は人それぞれ。

その“感じ方の違い”こそが演奏の個性になり、

音をどう育てるかというプロセスそのものが、

その人だけの音楽になっていきます。

 

私は、その瞬間がいちばん素敵だと思っています。

♪おわりに

ということで、今回は

 

「美しい音を作るための下準備」

 

についてお話ししました。

 

下準備の時間って、まだ音を出していないのに、もう音楽がゆっくり動き始めている感じがします。

 

すごく地味だけど、世界が少しずつクリアになっていくような、いちばんワクワクする瞬間でもあります。

 

今日の内容が、みなさんの音作りのヒントになったら嬉しいです。

 

詳しくは動画でゆっくりお話ししているので、よかったらそちらものぞいてみてください。

 

それでは、ごきげんよう🐇